歯科衛生士になるためには、
業務に必要な知識だけでなく、
技術も身につけなければなりません。
そのため、歯科衛生士の養成校では座学だけでなく、
現場を想定した手技を学ぶ実習や、
実際の歯科医院などで仕事を体験する
臨床実習などのカリキュラムが組まれています。
歯科衛生士を目指す方の中には、
「緊張して上手にできるか不安」
「歯科医師や先輩歯科衛生士とちゃんと話せるか心配」
という人も多いと思います。
歯科衛生士に求められる
知識・技術・コミュニケーション力を
身につける上で、実習は大切な授業。
臨床実習や臨地実習を通して学べることは多く、
実際の現場に出て歯科医師や歯科衛生士、
患者さんと接することで、より実践的な
知識と技術を習得することができます。
今回は「歯科衛生士になるために実習は必要?」を
テーマに、皆さんが気になる実習先や
実習内容について詳しく解説します。
「歯科衛生士になるために、実習は必須なの?」と
疑問に思う方もいますが、
結論から言えば、実習は必須です。
歯科衛生士になるには、国から定められた
学校(専門学校・大学・短大)で
3年以上学び、歯科衛生士国家試験の
受験資格を得なければなりません。
受験資格を得るには定められたカリキュラムを
修了する必要がありますが、このカリキュラムの
中に実習が組み込まれているため、
「実習は必須」になっています。
歯科衛生士教育協議会が定めたガイドラインによると、
総実習時間数は20単位で、1単位の実習時間は45時間。
つまり、歯科衛生士のカリキュラムを修了するには、
3年間で900時間の実習が必要となります。
なぜ、実習にこれほどの時間が割かれているのか、
気になる人も多いでしょう。それは、
歯科衛生士に必要な知識や技術を身につけるとともに、
現場における歯科衛生士の役割を理解するためです。
学校に入学すると、座学や学校内での実習を通じて、
歯科衛生士に必要な知識・技術を身につけていきます。
しかし、学校内での学びだけでは、これらの知識や
技術を現場でどのように生かせるのかが
イメージしづらいものです。学校内で学んだ知識や
技術を実際の現場で実践することで、
歯科衛生士に必要な能力を養うことができるのです。
また、歯科衛生士は歯科医師の診療を
補助するだけではなく、口腔ケアや
口腔健康管理を通じて、患者さんの健康を
サポートする重要な役割を担っており、
その活躍の場も広がっています。
臨床実習や臨地実習の中で、
歯科医院・幼稚園・小学校・高齢者施設における
歯科衛生士の業務を見学・体験することで、
歯科衛生士の役割を深く理解することができます。
学校に入学すると、いよいよ実習が始まります。
学校によっては早い段階から実習があるため、
どのようなことを学ぶのか、
不安に感じる人もいると思います。
ひと言で「実習」といっても、学校で学ぶ実習には
いくつか種類があります。ここでは、
歯科衛生士の実習の種類について解説します。
歯科衛生士の実習は、
学校内で基礎的な技術を身につける
「基礎実習」と、学校外の現場で仕事を体験する
「臨床実習」「臨地実習」に分けられます。
「基礎実習」は学校内の実習室で行われ、
歯科衛生士としての基礎を学習します。ここでは、
マネキンやクラスメイトを患者さんに見立てて
器具や材料の使用法などを学習したり、
歯の型のとり方やブラッシング指導のし方を
体験したりして学んでいきます。
実習は少しずつレベルアップしていくので、
実践的な感覚を無理なく養うことができます。
「臨床実習」は学校外の歯科医院や大学の附属病院、
総合病院などに足を運び、仕事を体験することで
より実践的な知識と技術を修得します。
普段はあまり話すことのできない歯科医師や
歯科衛生士、患者さんと接することができるので、
現場の雰囲気や仕事内容をより具体的に
イメージすることができるでしょう。
「臨地実習」は学校外の幼稚園や小学校、
高齢者施設などに出向き、ブラッシングの指導や
口腔内の清掃を行います。紙芝居や小道具を製作して、
子どもたちや高齢者に歯みがき習慣や食習慣、
食べ方を指導するのも歯科衛生士の役割です。
また、臨地実習では保育士、学級担任、
栄養士など多くの職種の人と関わります。
それぞれの現場で求められる歯科衛生士の役割を
理解するとともに、他の職種との連携や
コミュニケーションのし方についても
学ぶことができるでしょう。
歯科衛生士のカリキュラムを修了するには、
3年間で900時間の実習が必要になりますが、
歯科衛生士教育協議会が定めたガイドラインでは、
・実習時間の3分の2以上は病院、診療所、
歯科診療所において行うこと
・実習時間の目安としては、病院、診療所、
歯科診療所(臨床)が660〜764時間(1日を6時間)、
高齢者施設や集団指導等135〜200時間(1日を6時間)とする
と定められています。実習の受け入れ先の
状況によって業務内容は異なりますが、基本的には、
それぞれの現場で歯科衛生士が行う業務を体験します。
ここからは、歯科衛生士の実習先と
実習の内容を詳しく解説します。
「どんな場所で実習するの?」
「具体的な実習内容について知りたい」と
気になっている方は、ぜひご覧ください。
■実習先:歯科医院・歯科診療所
学校が提携している歯科医院や歯科診療所を訪れ、
そこで働く歯科医師や歯科衛生士の指示のもとで、
仕事を体験します。ここでは、患者さんやスタッフとの
コミュニケーションをはじめ、実習生として
ふさわしい身だしなみ(実習衣・髪の毛・短い爪)、
明るいあいさつ・返事、対象者に応じた
丁寧な言葉遣いなども見られます。
きちんとした姿勢、態度で実習に臨みましょう。
■実習先:幼稚園・保育所(園)・小学校
乳幼児から小学校高学年まで、
幅広い年齢の子どもたちに対して、
年齢と口腔状態に合わせた集団指導を行います。
基本的生活習慣として歯や口を清掃することの
大切さを伝えながら、好き嫌いなく、
よく噛んで食べる習慣や、自分の歯や口を
観察する習慣の確立を支援します。
この時期は年齢や発達の速さに個人差が見られるため、
学年や発達段階に応じた声かけ、
指導を行うことが大切です。
■実習先:保健所・保健センター
地域住民に密着した保健所・保健センターへ
実習に行くこともあります。地域によって
保健所と健康センターの役割は異なるため、
その実習内容は異なりますが、
乳幼児の歯科検診における
ブラッシング指導や妊婦さんの歯科予防相談、
高齢者の口腔検査などを担当します。
将来は社会に貢献したい、人の役に立ちたいという方は
積極的に実習に参加しましょう。
■実習先:高齢者施設
高齢者がより質の高い生活をするためには、
口腔内のケアが欠かせません。高齢者施設では、
施設の利用者や入居者に対して定期的に
口腔ケアや衛生指導を行っています。
ここでは高齢者やそのご家族、施設職員との
コミュニケーションを図りながら、口腔ケアや
摂食・嚥下リハビリテーションを実践的に学びます。
実習の内容は実習先によって多少異なりますが、
主に「う蝕予防処置」「歯周病予防処置」
「歯科保健指導」「診療現場での対応」を
担当することになります。
「う蝕予防処置」とは、う蝕(むし歯)を予防し、
健康的な歯を維持、増進させるための指導のこと。
具体的には歯石や歯垢を取り除くためのクリーニングや、
歯を強くするためのフッ素塗布などが挙げられます。
「歯周病予防処置」とは、
歯周病から歯を守るための治療のことで、
スケーラーと呼ばれる専用器具を使って、
歯や歯の根に付着している歯石や歯垢を除去します。
専門家として、歯周病のリスクについて
説明することも歯科衛生士の重要な役割です。
「歯科保健指導」では、
患者さんがずっと健康的な歯でいるために、
歯の磨き方や食生活、生活習慣などの
指導を行うことです。幼稚園や小学校を
訪れて指導することもあります。
「診察現場での対応」とは、
歯科医院や歯科診療所などで、歯科医師の診療を
補助すること。主にバキューム操作や
器具の受け渡しなどを担当します。器具に応じた
消毒・滅菌といった内容も実習で学びます。
歯科衛生士の実習では、プロの歯科衛生士と
同じスケジュールで学ぶことになるため、
体力的な負担も大きいものです。
慣れない環境で失敗してしまい、
先輩歯科衛生士から注意されることもあるでしょう。
しかし、プロとして働いている方の
仕事ぶりを間近で見たり、実際に患者さんと
触れ合うことで対応のし方を学んだりする経験は、
将来現場で働く上で大いに役立ちます。
実習に参加するメリットは数多くありますが、
働く前から治療の流れを理解できたり、
自分が将来どの分野に進みたいかを
確認できたりするというのは大きなメリットです。
学校によっては、卒業生が勤める歯科医院や
歯科診療所に学生を派遣しているため、
先輩から仕事内容や仕事のやりがいを
聞くことができますし、先輩から作業内容について
アドバイスをもらうことで、自分自身の
課題を見つけることもできるでしょう。
また、実習中にスタッフや患者さんから
「ありがとう」と言われることが少なくなく、
歯科衛生士としての責任感や
現場で働く自信にもなります。
実習先での時間は、本当にかけがえのないものです。
わからないことは先生や先輩歯科衛生士に
どんどん質問して、実りある時間を過ごしましょう。
歯科衛生士になるために、
実習は必要だということを解説してきましたが、
歯科衛生士と並ぶ国家資格である歯科技工士の場合、
臨床実習は必須ではありません。また、歯科衛生士は
卒業までに最短3年間かかるのに対して、
歯科技工士は最短2年間で卒業することができます。
臨床実習が不安という方や、
できる限り早く国家資格を取得し、
社会人になりたいという方は、歯科技工士を
目指すことを検討しても良いかもしれません。
今回は「歯科衛生士になるために実習は必要?」を
テーマに、皆さんが気になる実習先や
実習内容について詳しく解説しました。
歯科衛生士になるためには、さまざまな場所で
合計900時間の実習に参加しなければなりません。
実習に不安があるという方も多いですが、
新大阪歯科衛生士専門学校では、
業界との深いつながりを生かし、
豊富な実習先を確保しています。
在学中に働きながら学べる
「インターン・スカラシップ制度」を活用することで、
収入を得ながら現場で経験を積むことも可能です。
卒業後に即戦力として活躍したい方は、
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